実験室等の紹介
307号室 資料保存室
配架図書資料
日置流弓之部[片岡伝左衛門]
(文化十一年[1811])
(塚原)卜伝末後流伝書(寛永四年〔1627〕発給)
下から、二天一流、一刀流木刀(各3振)、新陰流袋撓、現在の竹刀
主なスタッフ
責任者
土居 陽治郎、田中 守
共同研究者
魚住孝至(放送大学)、羽賀久人
概要
研究センター開設当初から、大学図書館と一体で人文科学系の研究の基礎となる資料・図書の収集が開始された。岸野雄三学部長(当時)の下、魚住孝至講師(当時)を中心に、武道文化とその背景の日本文化の図書収集の基本方針を作成して収集を開始した。武道および日本文化の外国語文献は、村川久子教授(当時)を中心に収集した。江戸時代の古文書は、日本武道館の協力も得て、流派武術の巻物・写本等300点近くある。また古川哲史東京大学・本学名誉教授から寄贈された『甲陽軍鑑』など武士道関係の古文献も160点ある。
主な文献
武道古文書、武道関係図書、武道関係資料(木刀・袋撓他)、旧武道専門学校収集『鈴鹿家武芸伝書』コピー、東北大学「狩野文庫」マイクロフィルム(兵学部門)、外国語武道・日本関係書他
研究・教育
研究センター時代から、「武道思想の変遷」プロジェクト研究で武道の古典の研究を行っていた。また古川名誉教授の指導の下、江戸初頭の軍法書『軍法侍用集』の翻刻・研究を魚住と羽賀が行って、年報に連載した後、科研費の出版助成を得て刊行した(『戦国武士の心得』ぺりかん社・2001)。武道文献の外国語のターミノロジー研究は村川教授を中心に行われていたが、村川氏らの転出により中断の形になっている。また魚住は、特に宮本武蔵研究を中心に全国各地の武道関係文献の調査をして研究書を公刊した(『宮本武蔵』ぺりかん社・2002)。また2003年からは、大保木輝雄氏や吉田鞆男氏らとともに、「東アジアにおける武術の交流と展開」のテーマでプロジェクト研究を行った。この研究を展開させて比較文化論的な視野を持ちながら、「日本の武道文化の成立基盤」のテーマでプロジェクト研究を行っているが、2008年に科研費・基盤研究(C)に採択されて、一層の深化・発展して現在につながっている。
収集・設置されている図書、資料等(現時点では4600点以上保管)は、「武道概論」、「身心論」、「武家の思想」などの授業教材に利用されている。大学院「武道文化論特演」では本室が活用されている。図書は、本学教員や大学院生の研究資料として活用され、古文書等の諸資料は、機会があれば武道資料として展示している。
主な研究成果
発表論文
- 古川哲史監修・解題 魚住孝至・羽賀久人翻刻・註解
『軍法侍用集』の研究(原典全12巻の解題・翻刻・註解)
『武道科学研究センター年報』第3号~第7号(1990~95)
『武道・スポーツ科学研究所年報』第1号~第2号(1996~97)
【以上をまとめて『戦国武士の心得―『軍法侍用集』の研究』下記となる】 - 魚住孝至「宮本武蔵における修行」『国際武道大学研究紀要』第1号(1985)
- 吉田鞆男監修・魚住孝至論述「新陰流勢法研究」1「燕飛」、2「三学」、3「九箇」、4「天狗抄」「極意之太刀」『武道・スポーツ科学研究所年報』第9、10、12、14号(2004、05、07、09)
【2「三学」は本サイト「資料紹介」に掲載】 - 魚住孝至「新陰流の形成と定着」『武道・スポーツ研究所年報』第11号(2006)
【本サイト「研究論文」に掲載】 - 吉田鞆男「小野派一刀流について」『武道・スポーツ科学研究所年報』第13号(2008)
【本サイト「資料紹介」に掲載】 - 魚住孝至「東アジアにおける武術の交流と展開 覚書」『武道・スポーツ科学研究所年報』第11号(2006)
【本サイト「研究論文」に掲載】
研究書・書籍
- 古川哲史監修 魚住孝至・羽賀久人校注『戦国武士の心得‐『軍法侍用集』の研究』(ぺりかん社・2001年)
- 古川哲史監修 魚住孝至・羽賀久人校注『諸家評定‐戦国武士の「武士道」』(新人物往来社・2007年)
- 魚住孝至 『宮本武蔵―日本人の道』(ぺりかん社・2002年)
- 魚住孝至 『定本 五輪書』(新人物往来社・2005年)
- 魚住孝至 『宮本武蔵―「兵法の道」を生きる』(岩波新書・2008年)
- 田中 守『武道ー過去・現在・未来』(日本武道館・2005年)
科学研究費
- 1990年度 奨励研究(A);魚住孝至「日本の武道・芸道・禅における人間存在論」
- 2000年度 研究成果公開促進費 ;魚住孝至ら「戦国武士の心得‐『軍法侍用集』の研究」
- 2007~2010年度 基盤研究(C);魚住孝至「日本の武道文化の成立基盤-新陰流と一刀流剣術の研究を中心に」
附属武道・
スポーツ
科学研究所